コミュニティセントラル

これはProject:注目のウィキアン (Featured Wikian (英語版)) のサンプルブログエントリであり、質問例と解答例です。

質問と回答の例[]

質問内容はw:Community Central:Featured Wikiansのブログ紹介記事で使われている質問リストの暫定日本語訳より。

あなた自身のことについて少しだけ教えて下さい…

東京都在住です。過去にはJavaやPHPなどを使っったWeb系ソフトウェア開発の仕事をしたことがあります。もともとそういうことが好きでその後は民間のビジネススクルールに通ったりしていました。現在はウィキアのスタッフをしています。Webに関しては、インターネットが国内で普及し始めた頃 (1997年のISDN回線) から触っていました。その頃からインターネットに対する大きな夢を抱いていました。梅田望夫著の『ウェブ進化論』を読んでWikiに対する未来を夢見ていました。そこでウィキペディアなどのwikiの編集をしたことがありますが、その実態はウェブ進化論で描かれているものと少し違うことにがっかりした時期もありました。

どのようにしてウィキアを初めて見つけましたか?

ウィキアそのものは、2006年頃にウィキペディアで初めて知りました。しかしその頃のウィキアは、レイアウトやルールがウィキペディアに少し似ていると思い込んでいたので、実はまったくといっていいほどウィキアには興味も関心もありませんでした。ところが実際にはウィキペディアとはかなり違うことを後から知りました。それからしばらくウィキアのことはまったく興味がありませんでした。

どのWikiにもっとも多くの時間を費やしていますか? ──そしてどれがあなたがメインとしているWikiですか?

The Elder Scrolls Wiki日本語版に多大な時間を費やしました。ウィキア以外の外部のWikiを含めても、このTESWiki日本語版が圧倒的に一番多くの時間を費やしてきました。スタッフになってからは編集する頻度は減少していますが、今でもメインとしているWikiです。

どうやってウィキアにインスパイアされましたか?、あるいはどのようにしてウィキアに情熱を注ぎましたか?

ウィキアで編集を始めようと思ったきっかけは、The Elder Scrolls全般を取り扱うWikiの日本語版がどこかにないか探しているときでした。英語版では、ウィキア内にあるThe Elder Scrolls Wiki英語版、ウィキア以外ではUESP Wikiがすでにありました。UESP Wikiは昔から知っていたのでこれの日本語版はないだろうかと探していました。そのようなWikiは、日本語ではほとんどが、Oblivion, SkyrimのようにとTESシリーズの中からひとつのテーマに絞られたものばかりであり、TESシリーズ全般を扱う総合的なWikiの日本語版はみあたりませんでした。そこでUESP Wikiの日本語版を立ち上げて言語間リンクをつけてみようとまず考えました。ところが、UESP Wikiでは言語間リンクをつけることが、UESPのコミュニティの議論の経過から難しいことがわかり、手間がかかりそうだったので、そこでウィキアにあるTESWikiの日本語版を立ちあげてみようとしました。ウィキアでは言語間リンクの設定が非常に簡単であり、TESWikiがおよそ10の言語版とリンクしていることがわかり、簡単に日本語版を作れることがわかりました。当時のウィキア日本語版では新しいウィキアを立ち上げるには審査が必要と書いてあったので、審査が通るのかどうか、始めはどきどきしました。ところがいざやってみると、必要な項目を少しだけ入力してボタンを押せば、5分もかからずにすぐに新しいウィキアを作成できることがわかりました。このとき、ウィキアでは新しいWiki作成のルールが変わったのだと初めて気がついきました。こうしてThe Elder Scrolls Wiki日本語版が立ち上がり、ここからが私にとってのウィキアでの編集の初体験となりました。TESWiki英語版の手法は非常に参考になり、数多くの方法やスタイル等を真似てみました。気が付くとアクセス数が毎日1000から3000ほどになっていました。

ウィキアのどういうところが好きですか? あなたをウィキアにとどまらせるものは何だと思いますか?

まず、ウィキペディアよりも比較的自由に編集できることと、縛りがあまりないこと、ウィキペディアにはない面白い拡張機能がはじめからインストールされていることです。ウィキペディア以外の同じMediaWiki対応のWikiでも、言語間リンクを簡単につけられることが、ウィキアに留まらせるものとなりました。そして毎日の閲覧数がぐんぐん伸びていったこと (現在のTESWiki日本語版の閲覧数は毎日約1000~3000件ほどあります) や、TESWiki英語版WLBなどを通して日本人とは価値観や文化が異なる数人の外国人との交流がウィキアに留まらせるきっかけになりました。日本人にはあまり見られない彼らの合理的かつ効率的な考えにかなりインスパイアされています。ウィキア以外の日本語のwikiやウィキペディア日本語版ではみられない彼らの斬新なアイデアに非常に大きな刺激を受けています。なぜ日本にはあのようなWikiがないのかとずっと昔から不思議に思っていたほど強い刺激と衝撃を受けました。


Wiki初心者のみなさんのためのトップ5のヒントは何だと思いますか?

一つ目は、まず編集してみることです。それが例え世の中で直接役に立つかわからないゲームや漫画に関するWikiであろうと、怖がらず、恥ずかしがらず、とにかく編集してみることです。失敗を恐れないことです。すでに他にもWikiがあるから、自分が新たにWikiを立ちあげても新たに記事を書いても意味がない、という思い込みを一切しないことです。編集しても誰も見てくれないだろうという思い込みを捨てることです。すでに誰かがウィキアの外で何か類似のWikiを立ちあげていたとしても、諦めることはまったくありません。類似のWikiがウィキアの外にある、しかもそっちのWikiの方が多くの人が編集している、だから「自分がやっていること (やろうとしていること) は無駄だ」、とは思い込む必要はありません。他の人がウィキアの外に新たにWikiを立ちあげたとしても、編集する人が違えば、考え方にも違いがあるので、そのWikiとは趣向が明らかに違うWikiをウィキアに立ちあげることができます。また例えゲームなどのサブカルチャーのようなWikiを立ちあげても、世の中には何の役に立たないWikiだとは思い込まないことです。どんなサブカルチャーでも世の中で役に立つ情報が潜んでいることはあります。自分で新たにWikiを立ちあげて記事を書いているいる間に、意外な大発見をすることは、よくあることです。

2つ目は、わからないことがあれば、コミュニティのフォーラムなどで恥ずかしがらずにとにかく質問してみることです。わからないことでは恥ではないです。非常に人気が高いウィキアの英語版には、ウィキアに限らず日本語のその他のwikiには見られない多数のヒントや先進的なアイデアを盛り込んだウィキアコミュニティが多数見られます。とくに主にPukiWikiに馴染んでいる人にとっては、日本語のwikiがPukiWikiをベースとしたWikiがまだ多数あるため、テンプレートなど、PukiWikiよりも先進的で高度な技術を持ったMediaWikiならではのテクニックを使用した例がウィキアの英語版には無数に存在するため、非常に参考になります。英語が大してできなくても技術関係の文書は文学に関する英語よりも比較的平易な英語で書かれているので、なんとか読めるものばかりです。

3つ目は、新しくウィキアを立ち上げるとき、そのウィキアがいずれ廃れてしまう可能性があるものであれば、より汎用的なテーマで立ちあげ、特定のテーマに絞らないことです。もしすでにテーマを絞り込みすぎたWikiを立ちあげてしまっても、後からWiki統合の依頼やWikiのURL変更、URL転送などの依頼をしたり、別にWikiを立ち上げ直すことができます。ただし、立ち上げる前に、類似のウィキアがないか確認してることをおすすめします。

4つ目は、固定観念にとらわれないことです。ウィキアをウィキペディアとは重ねないことです。特に普段からいろいろなwikiを編集している人の間では、ウィキアに関してよくウィキペディアのことが意識されがちです。しかしwiki初心者はあえてウィキアをwikiだと思わないでいたほうが、固定観念にとらわれずに、余計なことを考えずに、編集したり楽しむことができると思います。それと同時に前例にとらわれないことです。前例がこうだったからこうすべきというような原理主義や教条主義に近い考え方を持つ必要はありません。するとこんなやり方もあるんだと新しい発見が得られると思います。

5つ目は、日本人の間によくある恥の文化を捨てることです。匿名文化の癖もできれば捨てることです。実名や顔写真を平気で公開しながらネット上でやりとりをすることが得意な欧米人の真似をすべきとは言いません。アカウントを作成してログインして編集することは、何も怖いことではありません。アカウントを作成すれば匿名ではなくなるわけではありませんが、投稿記録に履歴が記録され、あたかも特定の個人のように見られることがあります。それをいいことにログインユーザーよりも匿名性が高い可変IPユーザーが何らかの理由で攻撃してくる人がいるかもしれません。しかし匿名ユーザーの発言を恐れることはありません。匿名文化にも欠点があり、成りすましやいくらでも多数派を装える問題から匿名ユーザーが実名を公開したユーザーやログインユーザーよりも圧倒的に不利になってしまう問題から、日本国内でも匿名文化にいずれ限界が訪れるかもしれません。それと同時に、狭量にならず、多数の価値観と多様性があることを認めることです。誰もが自分と同じ考え方、同じ価値観を持っているとは限りません。自分とは考え方が少し違うからといって、そのような人を仲間外れにしようとしたり、革新的なアイデアを持っている人を否定しないようにすべきです。そして自分の価値観を他人に押し付けないことです。


ウィキア以外で今すぐ見たいものは何ですか?

今のところはウィキアで、英語版にはすでにあるのに日本語版ではあまり知られていないものや、ウィキアに関して私が知らないもののことで頭がいっぱいですが、強いて言えば、見たいものはニュース関連ですね。日本経済の将来、世界情勢が気になっています。Webに関する最新技術で革新的な技術も見たいものです。いつもチェックしているわけではないですけれども、SFの世界でしか実現できなかったものが近々実現できそうな科学技術に関するニュースもみたいですね。


何がThe Elder Scrolls Wikiのコミュニティをユニークのものにしていると思いますか?

今のところはTESWiki英語版を模倣してばかりいたので実はユニークとは言えないかも知れません。ただし、日本語版のElder Scrolls系のWikiではTESWikiのようなWikiはいまのところまだ存在しないと思っています。ウィキア以外で他の日本人が作ったWikiについてもほぼ同じことが言えますが、日本人が作ったほとんどのWikiは、分野やテーマを絞り込みすぎているように見えます。何十年年経っても廃れないWikiがあまりないような気もします。ゲームに関するWikiにしても、例えばThe Elder Scrollsシリーズのメインシリーズのゲームのうち、The Elder Scrolls IV: Oblivion が発売されると、その前後に Oblivion 専用のWikiが複数立ちあげられます。するとそのWikiの編集が活発になります。しかし徐々に落ち着いて、最終的に編集はほとんどなくなります。そしてその次作 The Elder Scrolls V: Skyrim が発売されると、以前の Oblivion の Wiki はほぼ放置して、Skyrim の Wiki が新たに複数立ちあげられます。そして各種 Skyrim のWikiでもOblivionのWikiと同じような現象が起きます。日本人が作るほとんどのWikiはこういう傾向が数多くあるように見えました。新しいシリーズが発売さえるたびに、新たにWikiを作り直しているケースが多すぎるように感じました。とくにこのTESシリーズは、それぞれゲームごとに別々にWikiを立ちあげても各シリーズで重複しているトピックがあまりにも多すぎます。すると、あるトピックの記事を書こうとすると、たとえば、OblivionとSkyrim両方に該当するトピックがある場合、どちらのWikiにそのトピックを書けばよいか迷うか、あるいは片方に偏ることになってしまう問題が起きます。それを解消するために、シリーズをすべてまとめたTESWikiというひとつの巨大なWikiを作るということは、非常に合理的です。どういうわけか日本語版ではこのような総合的で汎用的ななWikiがまだまだ少なく、特定分野に特化しすぎたWikiが多い気がします。TESWiki日本語版はそういう点では、日本語版のWikiとしてはまだまだ少数でかなりユニークであり、他のWikiにはない強みだと思います。

TESWikiのコミュニティで興味があることを教えてください──どうやってTESのコミュニティに深く関わるようになりましたか?

TESWikiでは一番興味があることは断然Skyrimです。そしてMODです。MODがMorrowindやOblivionやSkyrimのようなゲームを楽しいものにしてきました。MODを楽しんでいなければ、TESWikiの日本語版を立ち上げていなかったかもしれません。MODが豊富にあったからこそ、TESのコミュニティに深く関わることができました。そしてもうひとつ大いに興味があるものは、もうすぐ発売されるThe Elder Scrolls Onlineです。こちらでは恐らくSkyrimのようなmodを楽しむことはできないですが、オンラインゲームとしては不向きと思われたTESシリーズがオンラインゲーム化することにワクワクしています。

何か私たちを驚かせるようなものはありますか? 私たちに語れる面白い真実、才能、趣味か何かありますか?

ゲーム関連のwikiを多数編集してきましたが、実はPlayStationを最後に買って以来から、据置型の家庭用ゲーム機をひとつも持っていません。当時は、ゲームというのは、家庭用ゲーム機よりもPCでプレイした方がカスタマイズができたりといろいろと楽しかったので、家庭用ゲーム機を買わなくなっていました。当時の家庭用ゲーム機はハードディスクすら搭載できず、ローディングの待ち時間に我慢できなかったので、家庭用ゲーム機のことはほとんど眼中にない状態でした。そのために自作PCが好きです。自作PCで自分だけのオリジナルの "ゲームマシン" を作っています。市販のPCは、ノートPC以外では買うことがまずありません。古いPCはサーバとして使ったり、Linuxを試しにインストールしてみるのに使ったりしています。最近では、家庭用ゲーム機にも、昔にはない新たな変化が見られつつあるので、もしかしたら、また家庭用ゲーム機を買う日がやってくるかもしれません。

そして実はJava好きです。JavaScriptではありませんよ! プログラミング言語としてのJavaと、プラットフォームとしてのJava、両方とも好きです。学生時代から、C/C++言語に限界を感じたことがきっかけで、プラットフォーム非依存と、汎用性と再利用性の高さ、"Write once, run anywhere" という標語に惹かれてJavaプログラミングの勉強をしてきました。なにせオブジェクト指向プログラミング言語としてはSmalltalkの次に優れた言語だと思っています。その後サーバサイドのJava (Servlet, JSP関連) 関係のWeb系ソフトウェア開発の仕事もしてきました。このJavaの設計思想と哲学は、ウィキアでの私の編集にも影響を与えています。Morrowind, Oblivion, Skyrim といった同じTESシリーズをバラバラのWikiとして立ち上げるのではなく、英語版に倣ってひとつに統合されたプラットフォームの如く巨大で汎用的なThe Elder Scrolls Wikiを立ちあげようという思想は、このJavaの「汎用的な」設計思想と哲学の影響を強く受けています。