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本記事の著者、アダム・ケリーはFandom powered by Wikiaの財務戦略担当副社長です。広告掲載に関するFandomのこれまでの取り組みについて、彼に質問したいこと、伝えたいことはありませんか?このブログ(全3回の第2回目)をお読みになり、下のコメント欄からご意見・ご質問をお寄せください!

先日、Fandomにおける広告掲載の仕組みについてのブログシリーズ第1回を投稿しました。その主な内容は、Fandomサイト上の広告掲載にはまだまだ改善の余地があるというものでした。現状では広告数が多くなり過ぎており、ページが雑然とするばかりか、サイトのパフォーマンスにも影響を及ぼす可能性があります。この投稿では、広告の種類の1つで、ウェブ上で最も一般的な形式となっているプログラマティック広告についてもご紹介しました。

今回の投稿では、プログラマティック広告を減らすFandomのこれまでの取り組みについてお話しします。そして、シリーズ最終回の投稿では、ダイレクト広告(広告主に直接販売される広告ユニット)の詳細や、Fandomサイト上の広告掲載を改善していくための今後の取り組みについて取り上げます。

品質基準の確保[]

どの業界でもそうであるように、ウェブ広告にも良質なサービスと悪質なサービスがあります。アドエクスチェンジには、ユーザー・エクスペリエンスを重視した高い品質を保っているものもあります。そうしたアドエクスチェンジは、広告主とユーザーの双方にとって最も価値がある広告掲載を行うには、広告の掲載効果と品質を優先させつつ、ウェブユーザーに関するデータをもとに品質と関連性の高い広告を配信する必要があることを理解しているのです。その一方で、悪質な方法でユーザーデータを収集し、ユーザーがページを開いている間に次々と広告を読み込むなどして、あらゆるページ読み込みを利用しようとするアドエクスチェンジもあります。

この数年間でFandomの規模は大きくなり、広告業界も様変わりしました。以前は種類にかかわらず配信されるすべての広告に頼っていましたが、最近はダイレクト広告が大幅に増えたことから、ユーザー・エクスペリエンスを考慮しないネットワークやパートナーに対して迅速な措置を講じやすくなっています。また、広告のビューアビリティを重視するという広告業界の新基準に対応できるようにもなりました。そのおかげで、品質と関連性がより高く、直接的に販売される広告をサイトに掲載することが可能となっています。これについては、シリーズ最終回の投稿にて詳しくお伝えします。

パフォーマンスの評価[]

多くの場合、広告ではトラッキング・ピクセルが使用されています。トラッキング・ピクセルとは、ページ上の1x1の透明な画像ファイルの中に存在する小さいコードのことで、広告プロバイダにユーザーに関する情報を送信します。同様に、広告はユーザーのデバイス上で広告稼動のための処理を開始することができます。この処理によって動画やアニメーションが再生するほか、これが双方向にデータを転送する別の手段となることもあります。こうした概念はインターネット上では珍しいことでも不正な行為でもなく、実際にアドエクスチェンジでは、これらの方法でユーザーに関連する事がらを把握し、ユーザーの関心に合う広告を配信しているのです。

しかしながら、一部の広告掲載では、ユーザー・エクスペリエンスのことなどまったくお構いなしに、こうした手法が利用されていることも事実です。昨年、Fandomでは、我が社のすべての広告パートナーや広告プロバイダを継続的に評価するプログラムを開始しました。その結果、Fandomに配信された一部の広告には10を超えるトラッキング・ピクセルが含まれていたことがわかりました。これでは、1ページあたりのトラッキング・ピクセルの数が多くなり過ぎます。また、ページが開いている間に多数の処理を継続的に続行する広告もあり、中には同時に数百もの処理を行うものもあります。これらは、ユーザーのマシンの貴重な処理能力を大量に消費するため、「CPUの乗っ取り」であるとも言えます。こうしたトラッキング・ピクセルの乱用やCPUの乗っ取りによって、インターネットの帯域幅も大量に消費されます。

このような広告掲載は、広告主のニーズとユーザー・エクスペリエンスのバランスを不均衡にするとともに、サイトのパフォーマンスも低下させます。そのために、Fandomから遠ざかってしまったユーザーや閲覧者もいたに違いありません。このような事態になったことに対して、Fandomは全責任をとる必要があります。

Fandomのこれまでの取り組み[]

問題の実体が明らかになったところで、私達のこれまでの取り組みについてお話ししましょう。Fandomでは、ユーザーが実際には見ることができない広告の稼動を制限できる制御手段を導入したり、バックグラウンド処理を削減したりすることがあります。また、悪質な広告プロバイダに抗議し、1ページあたりの広告ユニットの割り当て数を制限するか、すべての広告を削除するという懲戒的なプロセスを実施することもあります。その結果、配信方法の変更に同意するプロバイダもいれば、同意しないプロバイダもおり、同意しないプロバイダからの広告はFandomに掲載されなくなります。つまり、品質を保証しなければ、Fandomには広告を掲載できない仕組みにしたのです。

私達は、今後も広告パートナーや広告プロバイダの評価・再評価を標準的な手続きとして継続していきます。

広告の問題にさらに直接的に対処するには、新しいテクノロジーを開発するのも1つの手です。巨大サイト上で世界中のユーザーに対して、ページの読み込み時間を抑えつつ広告を配信するのは容易なことではありません。私達の関連システムは、一瞬にして多くのことを判断できるよう設計されており、絶えず改良されています。また、Fandomでは、帯域幅や端末の能力を検知できる仕組みも開発し、帯域幅の低い地域には軽い版の広告を配信できるようにしました。さらに、最終的にページに読み込まれるコンテンツの制御を強化していく計画です。ダイレクト広告が読み込まれていると考えられるときは、プログラマティック広告の一部またはすべてを削除するという方法も検討しています。ダイレクト広告についてのシリーズ最終回の投稿も、ぜひお読みください。

悪質な広告プロバイダを特定するには、ユーザーの皆さんからのフィードバックが重要です。そのようなプロバイダは、ユーザーの国や地域、サイトの設定言語によって異なりますので、ご報告の際はこうした情報をすべてお知らせいただけると助かります。悪質な広告を報告する方法について詳しくは、こちらのヘルプページをご覧ください。

Fandomでのプログラマティック広告の取り扱い方についてご意見・ご質問がありましたら、下のコメント欄にてお寄せください。お待ちしております!

本ブログ記事は英語版のMaking Ads Better: What We've Done So Farを翻訳したものです。