Fandom



皆さまこんにちは!

本日は多くの皆さまを長らくお待たせしていた件についてご報告させていただきます。この度、Wikiの編集に極めて重要なツールおよびプラットフォーム更新に向けた大規模な取り組みを実施すると共に、Fandom MediaWikiのアップグレードを発表する運びとなりました

率直に申し上げますと、まだ多くの詳細を公開できる段階ではありません。今回の取り組みはかなり長期にわたるものとなります。現段階では具体的な内容とその方法についてまだ発表できませんが、今日は先行してなぜ今回の決断にいたったのか、そしてこのタイミングでの発表の理由についても説明させていただきます。

コミュニティからのフィードバック

昨年8月、私たちはコミュニティ・カウンシルとの一連の話し合いを開始し、プラットフォームに関わる多くの要素について意見を募りました。たとえばコミュニティメンバーとのスタッフの関わり方、Fandomが制作するオリジナルコンテンツ(動画や記事など)、ユーザーが期待するプロダクト開発について活発な意見交換を行いました。

その中でも重要な知見のひとつが、多くの機能やツールが時代遅れになっているという感触でした。事実、カウンシルメンバーのひとりであるUrsuulはこれを「機能の無責任な放置」と呼んでいます。上記の背景には主に以下の点が挙げられます:

  • 編集者の間では、編集用の十分な開発が何年も行われていないとの印象がある。
  • コミュニティにすでに存在する機能の強化ではなく、常に新しい開発に焦点があたっていたように思える。
  • 十分な説明や差し替えもない状態で一部の機能が除外もしくはサポート停止となってしまった。
  • MediaWikiの現行インスタンスは旧態依然であり、アドミンやユーザーは古びたツールを使わざるを得ない状況である。

上記の点が原因となり、最終的にFandomは編集者のことを気にかけていないという印象につながりました。もちろんFandomは常にユーザーを一番に考えてきましたが、「行動は言葉より雄弁」ということわざがあるように、編集者の体験は決して充実したものとして発展しなかったのです。そしてこれはカウンシルのもうひとつの意見でもあった「関心の欠如」にもつながり、私たちがWiki体験を当然とものして捉えてしまい、最終的に編集者が犠牲となるような開発をこれまで実施してしまいました。

上記のフィードバックやその他意見の結果、私たちは編集者の体験拡充に向けて第一歩を踏み出す決心をしました。ただし同時に、「なぜMediaWikiはこれまでアップグレードされなかったのか?」という疑問が残ります。

MediaWikiという一枚岩

ここ数年間、最新機能の開発はMediaWikiに「上乗せ」するという行き当たりばったりの方法でした。そのため、現行のプラットフォームには何百万ものコードと技術的負債が積みあがっています。そして結果的に今のMediaWikiのインスタンスは誰も手が出せない一枚岩になってしまったのです。唯一この一枚岩とは切り離された形で設計されたディスカッション機能の例外を除き、MediaWikiの技術負債はすべての面に行きわたってしまっています。

つまりMediaWikiをリニューアルしようとした場合、サイトが壊れてしまうことを意味します。

私たちはこれを以前に一度試したことがあります。前回MediaWikiをアップグレードしたタイミングが2012年でしたが、あれからかなりの年数が経っています。アップグレードを行った当時は今より技術負債や複雑性は少なかったのですが、サイトに数多くのバグが発生してしまい、修正に多くの時間を費やしてしまいました。その後、何年もかけて開発をさらに上乗せした結果、現行プラットフォーム上で今のMediaWikiインスタンスを更新する試みが不可能になってしまったと言っても過言ではありません。そのため長きにわたり、何度も分岐してしまったという意味で今のMediaWikiバージョンを1.19と呼んでいます。

そうなると解決策としては、新規のFandomプラットフォームを新しく構築した上でMediaWikiの最新バージョンを稼働させることになります。プラットフォームを作り上げ、そこに現代版MediaWikiを走らせてから、正しいカスタム機能を慎重に、かつ賢明に追加することで、現在のような複雑な状況を回避することができます。結果的に皆さまにとってお馴染みの体験にはなるものの、ソフトウェア自体は現代化されたバージョンとなり、さらにWiki編集者には改善されたツールを提供することができます。

それだけ大きな取り組みとなるわけですが、当然ながら多くの時間と労力を伴います。ではなぜ、そうまでしてやるのでしょうか?

編集者の体験向上のために

このような大規模なプロジェクトを遂行する場合、それだけ明確なメリットが伴ってなければいけません。Fandomではそのメリットはサイトの基盤を強化できることだと考えています。それは単にソフトウェアの基盤ということだけではありません。サイトの基盤であり、要となるのは、何よりもユーザーである皆さま自身です。Fandomを成長させ、引き続き素晴らしい体験を提供するためには、最高のWikiプラットフォームを実現することが必須なのです。

カウンシルから得たフィードバックを基に、また、Fandomファミリーに新しく追加されたGamepediaに伴う事業再編成を開始するにあたり、Wikiの編集体験を再び健全なものにしなければならないことは明らかでした。編集者自身に適切な最新ツールが提供されておらず、万全なサポート体制の中でコミュニティを育てることができないと感じている以上、最高のWikiプラットフォームを実現することは不可能です。

過去にコミュニティセントラルでも多くの投稿があったように、今までWikiが常にFandomの中核にあるということを度々聞いてきたと思います。ですが、皆さま自身は本当にそう実感していたのでしょうか?おそらく答えはノーのはずです。カウンシルからのフィードバックは正しいものでした。その他分野での成長を追い求めるうちに、Wikiの編集体験を犠牲にしてしまっていたのです。その責任は私たちにあります。事実、成長は充実したWiki編集体験の上でしか成り立たず、それに加えてFandomでファンが幅広く自由に活動できることが成功の証だと言えます。

皆さまへのサービスを拡充し、さらに強固かつ健全なコミュニティを育てられることがMediaWikiアップグレードの最大のメリットです。また長期的な成功を保証できる唯一の方法でもあります。

上記の理念を基に編成されたのが、私が現在所属する編集者体験チームです。私たちの使命は、Wikiの命運を左右すると言っても過言ではない編集者への現在の負担を減らし、編集体験を向上させることです。本プロセスにおいて皆さま全員が利害関係者となるため、MediaWikiアップグレードのユーザー側との調整も私たちの使命の一環になります。そのため、今後ユーザーからの意見を募ると同時に、プロジェクトの進捗についても随時報告していきます。

今後どうなる?

MediaWikiのリニューアルには多くの時間がかかります。何層にもわたる特殊機能を解体しながら、10年以上もの技術負債とコードの複雑性を徐々に紐解いていかなければいけません。今後も使用可能な機能(Gamepediaなど)、現代版MediaWikiに必要な開発箇所、新規での拡張機能の導入など、まだまだ多くの調査が必要となります。

現代版MediaWiki上でプラットフォームが稼働開始となれば、その後は様々な改良も迅速に実装できるようになります。ウィキメディア財団および拡張クリエイターによるMediaWikiの中核を担う開発作業により、今後は内製でのソリューション開発は必要なくなります。これまで度重なる修正が必要だったバグも、今よりも数が減ります。つまり、今後は皆さまの編集をさらに快適にする最新機能の開発にもっと多くの時間を費やすことができるようになります!

開発を急ぐのではなく、確実に正しく進めていきたい意向が強いため、具体的なスケジュールを現段階でお約束できないことをご了承ください。もちろん、次の数ヶ月の間の進捗は必ずご報告させていただきます。

今回はその長い旅路の第一歩となるため、皆さまの多くの疑問に対する具体的な返答ができないことをお許しください。ですが、皆さまのご質問には可能なかぎりお返事したいと思っていますので、ぜひご遠慮なくご感想やお問い合わせをお寄せください。

この記事は英語版のFandom is upgrading to a modern version of MediaWikiを翻訳したものです。
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